【2024年最新】PMP更新方法と60PDUの稼ぎ方はコレ！

プロジェクトマネージャーとして
キャリアアップ（転職・昇進）するために、
PMPの資格取得を目指す方は多いはず。

ただし、PMPは3年間の期限付きのため
期限切れを起こさないよう更新が必要です。

この記事では現役システムエンジニアが、PMPの更新方法等を簡潔に説明します。

PMP（Project Management Professional）とは？

世界的に知名度の高い、プロジェクトマネジメントに関する資格

米国で設立されたプロジェクトマネジメント協会（PMI）
が認定するマネジメントの認定資格のことで、

米国内だけではなく世界的に知名度の高い資格です。

PMPの資格を取得すると新規事業の立ち上げや新製品の開発など、
「プロジェクトが円滑に進むようマネジメントする能力」
を持っているという証明になります。

つまり、今後のキャリアアップも狙えます。

PMPの合格体験記を別記事にしておりますので、よかったらご一読ください。

PMPの維持期間は3年で、更新時はCCRプログラムへの参加が必要

PMPの維持期間は3年で、3年ごとに更新手続きが必要です。

更新にあたってCCRプログラム
（Continuing Certification Requirements Program）
への参加が必要です。

※CCRプログラムとはPMP®資格更新のための仕組みのこと。

CCRプログラムでは「PDU（Professional Development Unit）を、
3年間を1サイクルとして60時間分取得」する必要があります。

PMPホルダーは、PMIが認める専門能力開発活動や学習活動に従事することにより、
PDUと呼ばれる学習単位を獲得することができます。
※目安として1時間の研修受講＝1PDUに相当

CCRプログラムの大まかな流れ

PMPの更新条件として注意すべき「PDUのカテゴリ」について

PDUは2つのカテゴリがあります。
・教育分野
・ギブバック活動分野

それぞれのPDU取得条件は以下の通りです。

教育分野

研修、eラーニング、読書等による学習時間
に対してPDUを申請できます。

教育分野は”少なくとも35 PDU”
を取得する必要があります。（60PDUすべてでもOK）

教育分野は以下のサブカテゴリに分かれ、
各領域で最低8PDUずつ取得する必要があります。

1. Ways of Working（旧名称：Technical Project Management）
2. Power Skills（旧名称：Leadership）
3. Business Acumen（旧名称：Strategic and Business Management）

サブカテゴリは2022年4月に変更になりました。
旧名称のほうが馴染み深く日本人には分かりやすいかと思います。
この記事では以降、①を「テクニカル」②を「リーダーシップ」③を「戦略」と表記します。

ギブバック活動分野

記事執筆、講演、PMIコミュニティでのボランティア活動など、
専門分野の知識・経験を広めるギブバック活動に
従事することでもPDUを獲得できます。

ギブバック活動分野では
”上限として25PDUまで”申請が出来ます。（0PDUでもOK）

PDU獲得方法は2分野合計で10個あります。
（1~5が教育分野、6~10がギブバック分野）

それぞれ注意点を記載しているのでご確認ください。

●教育分野

1. コースまたはトレーニング

PMI等により実施される講義形式の研修で、
対面もしくはオンライン、e-Learningの研修コースが該当。

• 1時間の受講 = 1PDUに相当する。
• PDU申請はコース単位で実施する必要がある。
• 監査書類：受講申込書、受講証明書または受講を証明する文書。

2. 組織のミーティング

自社やPMIで開催されるような専門職に関する会議が該当。

• 参加した時間を最大2PDUを申請可能である。
• 監査書類：参加申込書、参加証明書
  またはイベント参加を証明するその他の様式の文書。

3. オンラインまたはデジタルメディア

オンデマンドのデジタルコンテンツが該当。

• 1時間の受講 = 1PDUに相当する。
• プロジェクトマネジメント分野にて選べる
  教材の種類が豊富（1つの教材で60PDU満たす場合もある）
• 監査書類：実施した学習活動の概要と実施日付を記載した学習記録。

4. 読書

書籍やネット記事、ブログ等が該当。

• 読書1時間 = 1PDUに相当する
• PMIが定める教育領域
  （テクニカル、リーダーシップ、戦略）に関する内容が必須条件。
• 監査書類：読書記録（日付、書籍情報、要約など）。

5. 非公式学習

指導を受けたり、所属組織のミーティング、勉強会への参加等が該当。

• 1時間の学習 = 1PDUに相当する。
• 監査書類：学習記録（日付、学習活動の概要など）。

---

●ギブバック分野

6. 実務者としての仕事

Project Managementに関する業務が該当。

• 最大8PDU申請可能である。
• 1CCRごとに1 回のみ申請可能である。
  （例えば、4PDUを2回申請は不可）
• 監査書類：職務記述書。

7. コンテンツ作成

書籍やブログ、記事の執筆、
そのほかウェビナーやプレゼン資料の作成が該当。

• コンテンツ制作に費やした1時間 = 1PDUに相当する。
• 監査書類：出版物のコピー、教育資料のサンプル、コース・アジェンダ等。

8. プレゼンテーションの実施

PMP資格に関連する内容のプレゼンテーションの実施が該当。

• 発表1時間 = 1PDUに相当する。
• PMI主催イベント、所属組織での発表など、形式は問わない。
• 監査書類：プレゼンテーション資料のコピー。

9. 知識の共有

自分の専門知識を、コーチング、メンタリング、教育などで他者へ知識共有することが該当。

• 知識共有に費やした1時間 = 1PDUに相当する。
• 監査書類：コーチングやメンタリングを取り決めた証跡、
  ディスカッションの概要や実施日の記録。

10. ボランティア

勤務先や取引先以外の組織でのボランティア活動が該当。

• ボランティア(報酬を得ない)活動1時間 = 1PDUに相当する。
• 監査書類：ボランティア活動に参加したことが証明できる書類（参加証明書）。

PMP更新条件をクリアするPDU獲得方法

オススメの60PDU獲得方法とは？

本業がSEの方でもそれ以外の方、どちらにも
オススメのPDU獲得方法を記載します。

SEの方は会社のトレーニングや、職務記述書、
ブログ記事等でPDUを稼ぐとGOODです。

• Point1：教育分野の「テクニカル」
  デジタルコンテンツがPDU稼ぎやすい。
  
• Point2：教育分野の「リーダーシップ」と「戦略」
  「テクニカル」よりPDU稼ぎやすい、特に読書がおすすめ。

文字がずらっと書かれたビジネス新書を選ばなくてもよいので、
ご自身が気になった本を選ぶと良いです。

私は下記のような、実際にビジネスに役立ちそうな現代本を選んでいます。

大カテゴリ	小カテゴリ	コンテンツ名	特徴	PDU数
教育	3. オンラインまたはデジタルメディア	PDU取得シリーズ	日本語教材。 BizLearn提供。 費用は約8万円。	60.0
教育	3. オンラインまたはデジタルメディア	PMP® Certification: PMP® Project Selection Methods	英語教材。 Udemy提供。 無料。	1.0
教育	3. オンラインまたはデジタルメディア	ProjectManagement.com	英語教材。 PMI会員は無料。 個別のPDU申請不要。	– (ウェビナーによる)
教育	3. オンラインまたはデジタルメディア	Certification Maintenance Toolkit	英語教材。 PMI提供。 費用はPMI会員は$540、 非会員は$740。	30.0
教育	3. オンラインまたはデジタルメディア	PMI-ACP Certification Exam Prep 21 PDU Course. FULL TRAINING	英語教材。 Udemy提供。 9時間。 費用は約2万円。	21.0
教育	3. オンラインまたはデジタルメディア	PMP: The Complete PMP Course & Practice Exam PMI PMBOK 6 ’22	英語教材。 Udemy提供。 18.5時間。 費用は約1万円。	35.0
教育	4. 読書	人を動かす新装版	リーダーシップ で申請。	– (読む時間による)
教育	4. 読書	リーダーを目醒めさせるキラー・クエスチョン 女性トップビジネスコーチが斬り込む「39の質問」	リーダーシップ で申請。	– (読む時間による)
教育	4. 読書	究極のリーダーシップ ～ 最大の成果をあげるための10の極意	リーダーシップ で申請。	– (読む時間による)
教育	4. 読書	THE HEART OF BUSINESS（ハートオブビジネス） 「人とパーパス」を本気で大切にする新時代のリーダーシップ	リーダーシップ で申請。	– (読む時間による)
教育	4. 読書	アジャイルサムライ 達人開発者への道	テクニカル で申請。	– (読む時間による)
教育	4. 読書	メタバースとWeb3	テクニカル で申請。	– (読む時間による)
教育	4. 読書	NFTの教科書 ビジネス・ブロックチェーン・法律・会計まで デジタルデータが資産になる未来	テクニカル で申請。	– (読む時間による)
教育	4. 読書	ブルー・オーシャン戦略新版 競争のない世界を創造する	戦略 で申請。	– (読む時間による)
教育	4. 読書	ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件	戦略 で申請。	– (読む時間による)

筆者のPDU獲得方法

2024年1月現在、筆者もまだ60PDUを集め中です。
以下はこれから取り組もうとしている内容も含みます。

本業をSEとしているブロガーとして、
ギブバック分野を上限の25PDUを申請します。

また、本業のなかでウェビナーもあるため、
教育分野を最大限利用します。

大カテゴリ	小カテゴリ	コンテンツ名	PDU数
教育	3. オンラインまたはデジタルメディア	※社内ウェビナーのため名称省略	8.0
教育	3. オンラインまたはデジタルメディア	※社内ウェビナーのため名称省略	8.0
教育	3. オンラインまたはデジタルメディア	PMP® Certification: PMP® Project Selection Methods	1.0
教育	3. オンラインまたはデジタルメディア	ProjectManagement.com	2.0
教育	4. 読書	究極のリーダーシップ ～ 最大の成果をあげるための10の極意	4.0
教育	4. 読書	THE HEART OF BUSINESS（ハートオブビジネス） 「人とパーパス」を本気で大切にする新時代のリーダーシップ	4.0
教育	4. 読書	ブルー・オーシャン戦略新版 競争のない世界を創造する	4.0
教育	4. 読書	ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件	4.0
ギブバック	6. 実務者としての仕事	職務記述書	8.0
ギブバック	7. コンテンツ作成	合格体験記	8.0
ギブバック	7. コンテンツ作成	アジャイル初級	3.0
ギブバック	7. コンテンツ作成	アジャイル中級	3.0
ギブバック	7. コンテンツ作成	アジャイル上級	3.0

PMP更新にかかる費用はいくら？

PDUの獲得方法によって費用は変わります。

「テクニカル」はUdemy、
「リーダーシップ」と「戦略」は読書
を中心にPDUを獲得する場合、総額5万円はかかるでしょう。

ただし、BizLearn社の「PDU取得シリーズ」
を選択してしまえば、全60PDUを約8万円で獲得できます。

”単に60PDUを稼ぐ”のであれば、
費用観点でも必要時間観点でも1番無難です。

SEの方はご自身の仕事内容や、
PMPに関するブログ記事を作成することをおすすめします。

時間は要するにしろ費用はほとんどかからないので。

PDU申請手順

PDUの申請はCCRシステム(CCRS)から行います。

PMI公式サイトからマイページを経由して
CCRシステムへアクセスも可能です。

PMI公式サイトへアクセスし、Dashboardから
「Report PDUs」を押下しCCRシステムへ。

申請するカテゴリを10個の中から選択します。

今回はOnline or Digital Mediaを例にします。
他のカテゴリもほとんど同じ申請項目です。

1. Provider Name or ID：教育プロバイダの名前またはID
2. Course Name or ID：コース名
3. Description  (optional)：コースの説明。任意項目ですが補足説明をしておくとよいです。
4. URL (optional)：コース紹介ページのURL等（任意）
5. Date Started：受講開始日
6. Date Completed：終了日
7. PDUs Claimed：教育分野の場合、サブカテゴリごとの申請PDU数を指定。
   ※受講したコンテンツに、サブカテゴリごとのPDUが記載されている場合、記載通りに申請しましょう。
8. 「I agree this claim is accurate.」にチェック
9. 「Submit」ボタンを押下して申請完了

申請後すぐにPMIから申請受理メールが届きます。
申請内容が承認されたかどうかの結果メールが、即時～数日程度で届きます。

必要条件の60PDUをクリアしたら、PMIから更新手続きについてのメールが届きます。
メールの指示に従って更新費用（PMI会員：$60, 非PMI会員：$150）を支払いましょう。
資格更新手続き完了後、新しいCCRサイクル期間が記載された資格証書がPMIから郵送で届きます。

PMP更新にあたっての注意点

① 期間内に60PDUを獲得できないと、資格停止になる

停止期間は1年間です。

1年間の停止期間内に必要なPDUを取得し、
更新手続きを完了すると、資格が有効になります。

資格停止期間中も次のCCRサイクル期間は始まっています。

資格停止期間を抜けたあと、
残りの期間で新たな60PDUを獲得する必要があることに注意。

② 一部のPDUは繰り越しできる

繰り越せるのは、
「CCRサイクルの最終年に取得したPDUのみ」です。

繰り越し上限は20PDUまでなので、
前CCRサイクル時に楽をするというのはあまり出来ません。

③ PDU申請に対してもPMIの監査制度が適用される

PMIでは、資格保有者のうち数パーセントから、
PDU申請内容の正当性をチェックしています。

監査対象となった場合は、
申請したPDUの証明資料の提出が求められます。

そのため、CCRサイクル終了後も3年間は、
申請した60PDUの監査資料を保管しておきましょう。

④ PDU取得対象外となるもの

PMPを取得する前に参加した教育やアクティビティは、
PDU対象として申請できません。

同一の教育コンテンツやアクティビティへの再参加は、
PDU対象として申請できません。

まとめ

今回はPMP（Project Management Professional）の更新方法と、
更新に必要なPDU（Professional Development Unit）を稼ぐ
オススメの方法をご紹介しました。

60PDUを集めるには約60時間分の勉強が必要です。
決して楽な数字ではありません。

しかし、せっかく取得した国際的な資格を資格喪失したらもったいないです。

なにより、PMPを取得した方の大半はキャリアアップを目指しているはず。
キャリアアップには「継続的な勉強」が重要だと私は思います。

「継続力」を自身に染み付ける一つの手段として、PMP更新のために勉強をする
そんな理由を持って勉強してみてはいかがでしょうか。